そぞろごと

退嬰老人日記

映画

羽仁進『初恋:地獄篇』

この映画では、寺山修司は名前を貸しただけで、製作にはいっさい関っていないと羽仁進が言ったそうだが、それはたぶん嘘だと思う。というのも、ここには寺山的なものが少なからず散見するからだ。ただしそれはほんの味付け程度にとどまっている。そして、そ…

ダニエル・シュミット『ラ・パロマ』

大昔に深夜放送で半分眠りながら見たものをもう一度ちゃんと見ておこうと。そんな気になったのは、この映画がなかなかレアで、めったに見るチャンスがないせいでもある。本作にかぎらず、ダニエル・シュミットの作品は軒並み廃番で、再発のめども立っていな…

ジャン・ジュネ『愛の唄』

ジャン・ジュネが1950年に作った映画『愛の唄』を見る。プライベートフィルムというのでもなく、かといって一般公開を意図していたとも思えない、ふしぎな映画。 感想はといえば、これは三島由紀夫が喜びそうな映画だな、というに尽きる。三島が喜びそうとい…

エドガー・ポーの世界

お盆といえばやはり怪談物ですよね。うちにも怪談と名のつく本はある。昔買った、古ぼけた全集の端本。それを開いて読んでみると──これが意外におもしろい。思わず釣り込まれるが、その話は後回しにしよう。 * * * 西洋怪談といえば、エドガー・ポーと相…

リリアン・ギッシュ──永遠の相のもとに

日夏耿之介が大正十五年に書いた雑文「中世活動写真考」に、 『中世智慧の輪』の中から活動写真の項をしらべ出して研究して世間をあつと云はせんものと、……さて若し若しあつたとしたらばなんと思召す、イゾルデ姫にリリアン・ギッシュ見たやうな美女が扮し、…

ルイ・マル『地下鉄のザジ』

大昔にテレビで見たものの再鑑賞。コメディはアメリカのものがダントツでおもしろいが、フランスもなかなかやりおるわい、といったところか。そういえば、私がはじめてパサージュなるものを知ったのもこの映画の中でだった。そのときは、こんな夢のような商…