そぞろごと

退嬰老人日記

言葉

好事魔多し

やっと軌道に乗りかけた宅録だが、ちょっとした不注意でギターの背面に穴を開けてしまい、リペアに出さざるをえなくなった。納期はひと月半とのことで、11月中旬まで宅録はお預けということになる。宅録はともかくとして、日常的にギターを弾くことが習慣に…

粋でこうとで人柄で

昔の本ではたまに見かける表現だが、この「こうと」は「高等」のつまったものだと思っていた。高等、つまり高尚というような意味かな、というふうに勝手に思いこんでいたのだ。ところが、最近饗庭篁村の「当世商人気質」を見ていたら、このこうとに「公道」…

温故知新の解釈

ちょっと気になることがあったので、温故知新の意味をネットで調べてみた。すると──どのサイトも判で押したように、「過去を振り返って、そこから新たな知見を得ること」といった説明をあげてある。これは私には意外だった。というのも、私はこれまでこの言…

d と z との間

ある本を読んでいると、「撫ぜる」という言葉が何度も出てくるので気になった。まあ意味はわかるが、ふつうは「撫でる」ですよね。ふしぎに思って調べてみると、どうも「撫でる」も「撫ぜる」もどっちもOKのようだ。どっちもOKということは、もしかしたらそ…

三昧という言葉

今日メールを見ると、『井筒俊彦ざんまい』という本の紹介があった。なるほどそんなものが出たか、と思うだけだが、その「ざんまい」という言葉にちょっと引っかかった。どうも、私の語感では、「ざんまい」というのは軽く響くのである。なんとかざんまいと…

博物学と博言学

広辞苑で有名な(?)新村出の出身校は、帝大の博言学科である。私はこれを見て、昔は博物学があったのと同じように、博言学というのがあったんだな、と思っていた。ところが、あるとき、この博言学が、言語学の古い呼び名であると知って、少しがっかりした…

真逆と書いて何と読むか?

そんなこと、わざわざ訊くまでもないでしょ、といわれるかもしれない。まあ、確かにね。では次のような文はどうか。 世の人も真逆に小生の一生に対して、此上妻を嘲笑する如き事は有之まじく、彼ハンベルヒ、……諸家の報告の如き事実をも承認せざることを得ざ…

「~すぎる」の温故知新

どうも最近の日本人は「~すぎる」を使いすぎてやしませんかね?と思わず自分でも使ってしまう「すぎる」だが、まあ意味はわかるし、それほど奇異な言葉というわけでもない。とはいうものの、やはり変な用法はあるもので……たとえば「顔がおっさんすぎる猫」…

アクセントの平板化について

私が最初にアクセントの平板化に気づき、ショックを受けたのは、たぶん高校一年のころ、数学の教師が授業中にデカルトとパスカルに言及したときだった。その教師ははっきりデカルト、パスカルを平たく(アクセントをつけずに)発音していた。それまでは、デ…