短小亭日乗

短くて小さい日記

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サイモン・ミットン編『現代天文百科』

この前はてなブログで「乗り物」というお題が出たので、乗り物としての地球について書いた。それが機縁で宇宙関連の動画を見たりしているうちに、ふと思い出したのが、私が若いころ、本屋で手に取って思わず瞠目した大冊のことだ。それはたしか岩波書店から…

エドガー・ポーの世界

お盆といえばやはり怪談物ですよね。うちにも怪談と名のつく本はある。昔買った、古ぼけた全集の端本。それを開いて読んでみると──これが意外におもしろい。思わず釣り込まれるが、その話は後回しにしよう。 * * * 西洋怪談といえば、エドガー・ポーと相…

井筒俊彦『意味の深みへ──東洋哲学の水位』

ときどきひどく分りにくい文を書く人がいる。いわゆる悪文家。もうちょっとわかりやすく書けませんかね、と文句のひとつもいいたくなるような人々だ。井筒俊彦はその正反対だ。かれの書く文はすばらしく明快である。かれの本を読んでいると、こっちまで頭が…

リリアン・ギッシュ──永遠の相のもとに

日夏耿之介が大正十五年に書いた雑文「中世活動写真考」に、 『中世智慧の輪』の中から活動写真の項をしらべ出して研究して世間をあつと云はせんものと、……さて若し若しあつたとしたらばなんと思召す、イゾルデ姫にリリアン・ギッシュ見たやうな美女が扮し、…