短小亭日乗

短くて小さい日記

2021-01-01から1年間の記事一覧

鷲巣繁男『戯論』

由良君美の『みみずく古本市』で見て興味をもったもので、だいぶ前に手に入れたまま積読になっていた。本書の副題に「逍遙遊」とあって、おそらくこれはマラルメのディヴァガシオンから想を得たものだろう。しかし、その divaguer ぶりは本家をはるかに凌駕…

自殺ソングについて

自殺ソングで有名なのは、ダミアの「暗い日曜日」だろう。確かに陰々滅々とした曲だが、私はこれを聴いてもべつに自殺したいという気持にはならなかった。日本では、「アカシアの雨がやむとき」が似たような歌詞をもっているが、これを自殺ソングと呼ぶ人は…

エリー・アメリングと眞理ヨシコ

往年の名ソプラノにエリー・アメリングという人がいる。私はこの人の歌が大好きで、CDばかりか「歌の冒険」と題された写真集まで持っているくらいだが、どうしてそんなに惹かれるのか、自分でもよくわからなかった。ところで、今日、子供のころに好きだった…