短小亭日乗

短くて小さい日記

自殺ソングについて


自殺ソングで有名なのは、ダミアの「暗い日曜日」だろう。確かに陰々滅々とした曲だが、私はこれを聴いてもべつに自殺したいという気持にはならなかった。

日本では、「アカシアの雨がやむとき」が似たような歌詞をもっているが、これを自殺ソングと呼ぶ人はいない。ただ、このバカみたいに明るい曲調が、なんだかやけくそのようで、逆にぶきみさを感じさせる。

さて、最近ユーチューブのアルゴリズムのなんとかで、Stelvio Cipriani の Mary's Theme という曲がおすすめにあがってきた。



べつに何ということもない曲だが、妙にクセになる。そしてこれを聴いていると、自分にとってもっとも大切なものがすでに永遠に失われていて、どうにも取り返しがつかない、そんな気持になってくる。

大切なものは過去にのみあって未来にはない、という気持をつよく刺激されれば、もう生きていても仕方ないな、という気になってくるのは理の当然だ。

この曲を聴いて自殺しました、なんていう人が出てこないことを願う。