そぞろごと

退嬰老人日記

好事魔多し

やっと軌道に乗りかけた宅録だが、ちょっとした不注意でギターの背面に穴を開けてしまい、リペアに出さざるをえなくなった。納期はひと月半とのことで、11月中旬まで宅録はお預けということになる。

宅録はともかくとして、日常的にギターを弾くことが習慣になってしまった人間にとって、ギターが弾けないというのはなかなかストレスになる。幸い、安物だがいちおう弾けるエレキギターがあるので、これでしばらくは我慢するとしよう。

このエレキギター、2年ほど前にアコギと同時期に買ったもので、ヘッドに Photo + Genic と書いてある。アマゾンで1万円だった。もちろん新品だ。

私はこれを見たときは、新品のストラトキャスターが1万円で手に入ることに感動し、思わず買ってしまったのだが、1万円のギターというと、頭から否定してかかる手合がいる。しかし、私にはそんなにわるいものにはみえなかった。少なくともアンプを通さない音は、それなりにシャンシャンしているように思った。

もともと夜間のコード練習用に買ったので、アンプは使わないつもりだったが、アコギを修理に出してしまった今となっては、これをメインギターとせざるをえない。そこで、以前に買ったヴォックスの amPrug というガジェットを補うかたちで、電池式の卓上ミニアンプを買ってみた。



こいつが、思いのほかいい音がする。

まったく、技術の進歩には驚くばかりだ。かつては、電池式の卓上アンプといえば、マーシャルのものが代表格で、とにかくしょぼい音しか出なかった。

さて、こうして小さいながらもアンプで増幅されたギターの音は、とても1万円のものとは思えない。これもやはり技術の進歩で、安くてもすぐれたものが生産できる時代になったのだろうか。この夏の暑さで、ベースは膠が溶け出しそうになり、かなり危なかったが、ギターのほうはアコギ、エレキとも、ネックの反りなどはほとんどなかった*1

こうなると、かつては気にもとめなかったエレキががぜん愛しいものに思えてくる。ちゃんと調整してやれば、もしかしたらステージでも十分使えるかもしれない。そういう機会がくるかどうかは今のところわからないが、バカにしていた連中に、一万円ギターの底力を見せてやることができれば、と思う。


     * * *


タイトルに使った「好事魔多し」だが、最近の若い人々のなかには、これを「こうじま・おおし」と読む人が少なくないようだ。私はかれらの一人に「好事魔って何ですか?」と訊かれて面食らったことがある。

それで思い出すのは、「綺羅星のごとく」という成句。これも、正しくは「綺羅・星のごとく」だが、最近では相当な人(大学の先生)なども、「綺羅星」なるものが存在すると思っているようだ。キラキラお星さまからの連想であろうか。気持はわかるが、ちゃんとした使い方をしてほしい。

*1:もっとも、調弦はしょっちゅう狂っていたが