そぞろごと

退嬰老人日記

粋でこうとで人柄で

昔の本ではたまに見かける表現だが、この「こうと」は「高等」のつまったものだと思っていた。高等、つまり高尚というような意味かな、というふうに勝手に思いこんでいたのだ。

ところが、最近饗庭篁村の「当世商人気質」を見ていたら、このこうとに「公道」という字が使ってある。公道といえば道のことしか思い浮ばない。篁村一流の宛字かと思って調べてみると、どうもそうではなくて、れっきとした言葉のようだ。このページに精しい説明がある。

まあ、「こうと」の意味はどうあれ、「粋でこうとで人柄で」といえば、なんとなくどんな人物か想像がつく。私としては、当初の思いこみの「高等」のニュアンスがどうしても頭を離れないが、たとえそれが正鵠を射たものではないとしても、まるきり見当外れというわけでもないように思うのである。