そぞろごと

退嬰老人日記

ゾラ『獲物の分け前』

中井敦子訳のちくま文庫。耐えがたく退屈で、読み了えるのに半年ほどかかってしまった。

ネットで感想をみると、案に相違して、みなさん意外と本書を楽しんで読んでいるようだ。退屈に思ったのは私がわるかったのか。たぶんそうだろう、ゾラほどの作家がつまらない作品を書くはずないのだから。

ゾラの小説はルーゴン・マッカール叢書だけでも20巻もある。好みのものもあれば、そうでないものがあるのは当然だろう。これに懲りず、機会があれば他のものも読んでみたい。

ゾラの小説が新たに訳されるのはすばらしいことだと思うが、どうも若い訳者による現代風の文体は、ゾラのような古めかしい小説にはむりがあるような気もする。この小説でも、「イケてる」なんていう表現が飛び出してきて、私のような旧弊人はひたすら困惑するのであった。