短小亭日乗

短くて小さい日記

新世紀の幕開け


このたびのコロナ騒動で、やっと20世紀が終りを告げ、21世紀が始まるのかな、という気がしている。

なにを寝ぼけたことを、もう20年も前から21世紀に入ってるよ、という声もあるだろう。まあそれはそうだが、われわれが〇〇世紀という言葉で思い浮べるあれやこれやは、けっして西暦の百年紀で区切られているわけではない。

たとえば18世紀と19世紀との区切がどこにあるかといえば、おそらくナポレオン戦争終結した1815年あたりだろう。それと同様に、19世紀と20世紀と区切はおそらく第一次大戦終結(1918年)になるだろう。奇しくもその時期に、スペイン風邪が大流行している。それから100年後、コロナ騒動が世界を席捲した2020年をもって、新世紀の幕開けとするのにも、それなりの理由があるのだ。

私のように、20世紀と21世紀とにまたがって生きているような人間には、正直いって両者の区別があいまいで、ずいぶん変ったような気もすれば、たいして変っていないような気もする。そういう主観的な見方を離れて、客観的に眺めるならば、コロナ前、コロナ後で歴史が二分されるというのもひとつの仮説として成り立つのではないか。

うっとうしい日々が続くが、そういう歴史的な転換期に際会していると思えば、これも貴重な体験になるだろう。私としては、生きているうちに、はっきりと21世紀の顔を見極めたい気持がつよい。