そぞろごと

退嬰老人日記

男女の行動の違い

高山宏に『殺す、集める、読む』という題のエッセイ集がある。私はまだ読んでいないが、この題名だけでも唸ってしまう。さすが学魔といわれるだけのことはあるな、と。

しかし、よくよく眺めてみると、「集める」と「読む」とを並べるのは、同義語反復の嫌いがなくはないか。少なくともドイツ語の lesen やラテン語の legere は、「集める」が原義のはずだ。コレクション collection の lection は、たぶんレクチャー lecture と語源を同じくする。

まあそれはそれとして、これら三つの動詞が、男性に特有の行動を表しているのが私にはおもしろい。そこで、ダブっている(と私には思われる)「読む」を除外して、ここにもっと適切な、男性ならではの行為を示す動詞を入れてみたらどうなるか、と思うようになった。

さて、何を入れるべきか。

そこでふと思いついたのが、歴史の授業で習った「アダムが耕し、イヴが紡いでいたころ……」という文章だ。なるほど、男性は耕す存在なのである。土地を耕すだけでなくて、たとえば文化(カルチャー)なんかも耕す行為の一種だろう。文化や文明がおおむね男性の仕事であるのは、それが広く「耕す」行為だからだと思う。



そこで、高山氏の発案になるコピーを「殺す、集める、耕す」と改変して、男性に特有の行動としよう。

いっぽう、女性はといえば、男性に対になるようにするためには、どんな動詞がふさわしいだろうか。

いろいろ考えてみたが、やはりアダムに対するイヴとして、「紡ぐ」は外せないだろう。となると、あとは「集める」に対するものとして「飾る」、「殺す」に対するものとして「騙す」などがあがってくる。

そこでまとめると、

男性:殺す、集める、耕す
女性:紡ぐ、飾る、騙す


こんなところでどうだろうか?